「よかったね、よも。これで将来も安心よ?」

「そうだな」

 またものすごくさらりとプレッシャーをかけれたような…。

 でも、晴野のこと本当に愛してるんだってその表情から分かる。
 この人たちは、晴野を育ててきた親なんだ。

「さてと、秋空くん、送っていくよ」

「今日はいいです。晴野のそばにいてやってください。明日、迎えに来るって言っといてもらえませんか?」

「…わかった。気を付けて帰るんだよ」

「はい」

 最後にちらっと晴野を見ると、なぜか目があって…。
 あれ、起きてる…。

「晴野?」

「…神野くん?…私、どうして」

「よも、秋空くんが連れ帰ってくれたんだよ」

「…ッ」

 さっきのことを思い出したのか、晴野の表情が凍りつく。

 桃さんが肩に触れる前に自分から抱きついた晴野は、幼い子どものように桃さんにしがみついていた。桃さんはそんな晴野を抱き締め返し、大丈夫と言っていた。