「よも!?」

「…お父さん…」

 お父さんは少し、痩せたんでしょうか。

 きっと辛いはずなのに、それをみじんも感じさせない笑顔を向けてくれました。

 お父さんと一緒に入ってきた警察の人は私の視界から外れたところに行ってしまったようです。

「よも、無事か?」

「お父さんこそ…。ごめんなさい。私のせいで…」

「よも、お前のせいじゃない。自分を責めるな」

 警察の人に促されて座りましたが、本当は今すぐお父さんに抱きつきたい。
 でも、隔たれた壁がそうはさせてくれません。

 触れることも出来ないなんて、目の前にいるのに酷いです…。