電車を乗り継いでようやくたどり着いた刑務所はものものしい雰囲気を醸し出していて、面会に来ただけでもドキドキです。

 中に入って名前を告げると、違う課に案内されて、書類を書きました。

 そうしてやっと面会室に入れてもらいましたが、神野くんと雷斗くんは外で待ってるとその場に残りました。

「面会時間少ないし、俺らがいると邪魔になるかもしれないだろ?」

 と神野くんは言っていましたが、実際のところ少し不安です。

 面会室は真ん中が壁で仕切られていて、中央にある机といすの前にアクリル板が張られていました。

 本当にドラマの世界ですね…。

「こちらにどうぞ」

「あ、ありがとうございます…」

 勧められるままに椅子に座ると、警察の人はそのままそこに留まっていました。

 しばらくして、アクリル板の向こう側のドアが開きました。

 そこから入ってきたのは、まぎれもなくお父さんで、思わず立ち上がってしまいました。