「よもちゃん!?」

 あれ、ここはどこでしょう…。

 視線を動かすと、雷斗くんと輝星さんが心配そうに見つめてきているのが見えました。

「どけ!…よも、大丈夫か」

「…剣人さん?」

「何があった?今までどこに…」

 雷斗くんと輝星さんを押しのけて目の前に来た剣人さんは心配したんだぞというような顔をしていて…。

 そうだ、雷斗くんが助けてくれて…。私外に出れたんだ。

 そう分かった途端目頭が熱くなって、勝手に涙が流れ始める。
 そんな私を剣人さんは抱きしめてくれて、余計に涙が溢れてくる。

「きつかったな。よく頑張った。もう大丈夫だ」

「…ッうん」

 頭を撫でてくれる剣人さんは、昔からずっとそう。
 私が転んだだけでも痛かったな、もう大丈夫だからな、俺が治してやるからって慰めてくれていました。

 しばらく泣くと、何とか気持ちも落ち着いてきました。