輝星さんがノックすると、中から斎王さんの声が聞こえてきて、ドアを開ける。

「どうしたんだお前ら?ケンカでも…ってよも!?」

 ガタンッといすを揺らしながら立ち上がった斎王さんは目を見開いたが、起きる気配のないよもちゃんに表情を険しくさせる。

「とにかく、そこのベッドに」

 医師としての顔をする斎王さんの行動は早く、あっという間によもちゃんをベッドに寝かせると、看護師に指示を出してあらゆる検査の準備が始まる。

 その様子を呆然と見ていると、斎王さんはカルテを持ったまま鋭い視線を向けてきた。

「よもはどこにいたんだ」

「俺の家です。男に襲われてるところを見つけて…」

 斎王さんは目を見開くと、舌打ちしてまた新たな指示を出した。

 そんな指示が飛び交う中、よもちゃんの瞼が震え、目を覚ました。

雷斗side END