「よもちゃん!」

 雷斗くんの声に顔を前に向けると、雷斗くんはそれでいいというように笑ってくれました。

 目の前の大きなドアを開けると、目の前に眩しい光が飛び込んでくる。
 思わず目を閉じても、足だけは止めなかった。

「乗って!」

 目を開けた時には、目の前に大きなバイクがあって、それによじ登っている間にスーツの集団が追いついて来る。

 雷斗くんは振り返りざまに裏拳で1人を倒すと、今度は蹴りで相手を圧倒する。

 相手がひるんだすきにバイクに飛び乗った雷斗くんはスタンドを勢いで倒しそのままの勢いでバイクを走らせる。

「よもちゃん!絶対に離したらダメだからね!!」

 その言葉に雷斗くんの背中にしがみ付きました。

 バイクは何度が蛇行した後、さらにスピードを上げて駆け抜けていく。

 後ろのほうで「追え!」という声が聞こえた気もしましたが、怖くて振り返れませんでした。