目を閉じて耐えていると次の瞬間、バゴッという鈍い音と共にそれまで動いていた感触がピタリと止み、代わりに体が異常なまでに重くなる。

「よもちゃん!?」

「ッ!?」

 ずっと聞いていなかった懐かしい声に目を開ける。
 すると、目の前に酷く歪んだ顔の雷斗くんがいて…。

 これは…夢?でも、どうしてここに雷斗くんがいるの?

 目の前にいる雷斗くんの姿が信じられなくて、目の前がぼやけていく。

「…らい…と…くん?」

「ッ!行こう。立てる?」

 我に返った雷斗くんは私の上で伸びている人を蹴って退かすと、手を差し出してくれました。

 そうだ、泣いてる場合じゃない。逃げなきゃ!