「あ、おはよう」

「ッ!?」

 目が覚めた途端、目の前にはあの人がいて、当然のようにベッドの隅にいた。
 ニコニコと微笑んでいるこの人は一体、何を考えているんでしょうか。

「随分深く眠っていたみたいだから起きるのを待っていたんだ。あぁでも、先に何か食べなきゃだね。おかゆがあるよ」

「いりません」

「だめ。食べさせるのも僕の仕事のうち。食べないから口移ししよっか」

「ッ!!?いや!食べるから、だからやめてください…」

「そう、残念。じゃあはい」

 起き上がり、渡されたおかゆを受け取りましたが、食欲は全くありません。

 だって、食べればまた始まるんでしょう?

 そのためだけに食べなきゃいけないなんて嫌だ…。