監禁が始まって翌日、以前依頼に来た女の人がここに来ました。

 その人はあの時とはまるで違う顔でやって来たので、追っ払ってやりました。それ以来顔を見ていません。

 それにしても、父親は何がしたいんでしょうか。
 監禁していたら会社の跡継ぎになんて出来やしないのに。そもそもやった瞬間に潰しますが。

 なら、どうして、私を…。

 その時、何の前触れもなくドアが開く音がした。

 おかしい。朝昼晩のご飯以外絶対に来ないはずなのに。

 何とか身を起こして起き上がると、目の前にいたのは知らない男の子。歳は私より上のようです。

「はじめまして」

「…誰ですか」

「ん?僕はキミのお婿さん、かな」

「は?」

「まぁキミからすれば親が決めた婚約ってやつ。僕はキミのお父さんに結構気に入られててね。今は会社の秘書をさせてもらってる」