1人ぼっちと1匹オオカミ(下)


「あなたに用意してほしいものなんてないから、私を家族のところに返して下さい」

「お前を攫ったやつの元へか?」

「ッお父さんを…清牙さんを悪く言ったら許さない!!」

 初めて、目を合わせて言った。

 でも、父親の目は冷え切っていて、私の意見なんか一生聞いてくれない。そう、感じました。

「お前は俺の子だ。血の繋がりに逆らうことなど誰にもできん」

 父親は吐き捨てるようにそう言うと、持っていたカタログを私に投げつけて部屋を出て行きました。

 また1人になって、部屋を見回す。でも、どこにも時計がない。外からの光もないから時間の感覚がまるでありません。

 唯一外との繋がりを持てるTVの電源をつけると、ちょうど夕方のニュースが始まるところでした。