「清牙!?」

 剣人さんの声で我に返る。お父さんはいつの間にか手錠をかけられて、警察の人に囲まれて向かう先にはワゴン車…。

「お父さん…お父さん!」

 目の前のいる人をかわしてお父さんの元に駆け寄る。
 足を止めたお父さんは私の姿を見て笑った。

「よも、大丈夫。俺もがんばるよ。だから、帰って来たかったら帰っておいで」

「え?」

「お前は俺の大事な娘だからな。だから、嫌なら抗えばいいんだ。叫び続ければいい。よも、お前は俺の自慢の娘だ」

「…お父さん」

「行くぞ」

「ッ待って!」

 私が伸ばした手は警察の人に阻まれて、男の人に肩を掴まれてお父さんから遠ざかる。

 お父さんを乗せたワゴン車のドアは閉められて、あっという間に走り去っていきました。


 どうして?


 なんで、こうなるの?


 なんで…?