次の日。
朝から学校中が騒がしかった…

私は周りの話に耳を澄ました

(他のクラスに超イケメンの男の子が居るんだって~)

イケメン…?男の子…?
私のクラスだ‼

私は走って教室に向かった。
なぜかワクワクしていた

ガラッ…

その空席に座っていた人…

「カ~くん!?」

それは…
私の大好きな人でした。

『おぅ!久しぶり!』

周りはザワついた

「カ~くん…どうしてここに…?」

『場所変えよう…』

そう言ってカ~くんは私の手を引いた。

ドキドキ…

少し大人になって昔よりイケメンになっていて私は胸の鼓動を止められなかった

「カ~くん…?どこいくの?」

階段を上りながら聞いた

ガチャッ…

着いたのは屋上。

「カ~くん…?」

ギュッ…

一瞬、何が起きたのか分からなかった

『椿…ただいま。待たせてごめんな…』

「おかえり…」

私はカ~くんに抱かれながら涙を流した

暖かい…
カ~くんがここに居る…

ずっと、ずっと…

「会いたかった…」

『俺も…』

カ~くんの腕の力が強まった。

「カ~くん、良い香り~」

カ~くんからは、金木犀の香りがした。

『あの公園、行ってきた』

「ねぇ、体は?大丈夫なの…?」

『大丈夫。心配かけてごめんな…』

昔と違う低い声、高くなった背、きちんとセットされた髪の毛…私の呼び方。
今までと少し違うけど、やっぱり…
全部大好き。

『椿…』

「ん?」

『今日、遊びに行こっか?』

「うん!」

私は満面の笑みで返事をした。


放課後。
私はカ~くんの自転車の後ろに乗って、
金木犀の木のある公園に行った。

「良い香り~」

『本当、好きだよな…金木犀』

「うん!」

『どこが好き?』

なぜか、その質問にドキッとした…

「え、えーと…匂い‼」

『それだけ?』

「花言葉‼」

『花言葉…?』

金木犀の花言葉は
初恋、真実、謙遜、陶酔。

『俺にはよく分かんねぇや…』

カ~くんはそう言って困った顔で笑った

「私の名前にも花言葉があるんだよ?」

椿の花言葉は
至上の愛らしさ。

『そうなんだ~』

「カ~くんも…かな?」

楓の花言葉は
大切な思い出。

『へぇ~、椿って何でも知ってんだな』

頭をポンポンして微笑んだカ~くん。
カッコイイな~なんて思いながら見ていた。

『椿、次行くぞ‼』

「えっ、行くってどこに?」

『ナイショ』

カ~くんは意地悪そうな顔をして笑った

私は再びカ~くんの後ろに乗った。