あの日から毎日、私は学校帰りにカ~くんのお見舞いに行った


1ヶ月後。
カ~くんは退院して、
学校に通えるまで復活していた。


学校。

「おはよー、カ~くん‼」

『おぅ!おはよー‼』

記憶はまだ戻らないみたいだったけど、
私たちは普通の友達関係になっていた…

『如月!今日も遊びに行くか?』

如月…か…
また椿って呼んでくれないかな…

「あ…うん!どこに行く?」

『思い出の場所…』

えっ…?
思い出って…記憶、戻った!?

「思い出したの!?」

『いや…何か思い出せるかな…と思って…』

「そっか…じゃあ、放課後にたくさん思い出の場所に行こ?」

『おぅ!』

そして時間はあっという間に経ち、
放課後…私とカ~くんはまず金木犀の木の公園に行った。

「ここはね…私とカ~くんの大好きな場所。いっぱい遊んで、いっぱい笑ったり泣いたりした場所…。今は咲いてないけど…秋になったら金木犀がたくさん咲くんだよ?とってもいい香りなの♪」

真剣に私の話を聞くカ~くん。
一生懸命、思い出そうとしていた…

私たちは次にプラネタリウムに行った。

「ここは、私たちの始まりの場所…。」

カ~くんは少し微笑んだ…
でも、目が哀しそう…

「どぉ…?何か思い出せそう?」

『ごめん…やっぱダメだ…』

「そっか…そうだよね…」