「 好 き 」

高校生活も慣れて来た頃。


あと2週間もすれば夏休み。
夏休みと言えば……



「お祭りでしょー、海でしょー、それにプールにお泊まり会‼︎
いろいろあるね〜っ」




体調が回復した美咲ちゃんが、教室に戻って来たので夏休みについて話していると、ついつい話が弾んでしまう。




「お祭りはやっぱり浴衣着ていく?」


美咲ちゃんが机の上にファッション雑誌を広げながらあたしに問いかけて来る。


「あたし浴衣似合わないんだよねー…」



「なぁに言ってんの‼︎
めちゃめちゃ似合うでしょーっ」




そう言って背中をバシバシ叩いて来る美咲ちゃん。



「そういう美咲ちゃんこそ浴衣とかすごい似合うじゃん」



スタイルがいい美咲ちゃんはものすごく可愛くて男子からもモテモテなんだ。


それに比べてあたしは告白されたこともないから、似合うどころの話ではないんだよな〜…。



「美咲ちゃんみたいに可愛くなりたいな、あたし」



二人で見ていたファッション雑誌をパラパラめくりながらそう話すと、美咲ちゃんはすごく驚いた顔をした。



「いやいやいや、なづ十分可愛いからね?これはお世辞抜きで可愛いから」



すごく、この子何言ってんの?みたいな顔で見て来る。



「お世辞抜きって…そんな冗談良いから〜」



あ、この浴衣可愛い〜なんて言いながら、雑誌を美咲ちゃんに見せようと思ったら、美咲ちゃんが雑誌を取り上げた。



「わっ…!ちょっと美咲ちゃん!」



「なづ真剣に聞いてよ!」



「…分かったよ、聞くよ」



そう言うと美咲ちゃんはにこーっと笑ってあたしに耳打ちして来る。



「実はさ〜…なづの事を好きだって言ってる人がすぐ近くにいるんだよねぇ…」



…え?
今なんて言った?



あたしのことを好きな人が、
すぐ近くにいる……?



「な、なにそれ…
それもまた冗談??」



「冗談でこんなこと言う人がいる?」



「…いない」



「じゃあ信じてよ!
これ、本当の話だから!」



それから、長く話を聞かされた。