「 好 き 」

教室へと帰るとき、美咲ちゃんは泣きすぎて気分が優れなくなったから保健室で寝ることになった。



「あ…光里に謝ってない」



もう…やだ…。



やっぱりあたしがダメだ……。




「はぁ…っ」




その場にしゃがむと、力が抜けてくる。
もう、この場にずっといたい。




「…小鳥遊さん?」



「…園田くん」




しゃがんでいると、後ろから葵くんが声をかけてくる。




「どうしてここに…」



「えーっと、遅刻?はははっ」




葵くんがそうやって笑う。




「そっか」




……あ、葵くんにお礼しなくちゃだよね


助けてくれたから…。




そして、あたしは立ち上がって葵くんを人気のない場所に連れて行く。




「この前は、ありがとう」



「え?なんのこと?」



「…あたしのこと庇ってまで生徒指導室入ってくれたんでしょ?」




あたしが葵くんと視線を合わせながらそう言うと、葵くんはすごくびっくりした顔をしてから真っ赤になってしまう。




「あ、知ってた?…マジか。てか、ダセー、俺」




髪の毛をぐしゃぐしゃっ‼︎としてから、その場にしゃがみこんでしまう。




「この前さ、葵くんを悪く言わないでって怒ってくれたじゃん。そのお礼だと思ってくれていいから」



少し上目遣いであたしにつぶやく葵くんはすごく色っぽい。




またあたしの胸がドキドキする。




「うん、わかった…」




それだけ言うと、葵くんは立ち上がって んじゃ、またね そう言って歩いて行ってしまう。



「あ、葵くん‼︎」



「ん?」



「葵くんは、全然ダサくないよ‼︎
かっこいいよ‼︎」




…って、何言ってんだあたし‼︎
恥ずかしいぃぃ‼︎




「ははっサンキューな‼︎」




そう言って笑うと、葵くんは手を振って遠くに行ってしまった。