「 好 き 」

「なづ、ここにいたの?」



「み、美咲ちゃんこそ…それより莉子ちゃんと話せた?」



あたしは、あの後ものすごくないちゃったから人生初のサボリをやってしまった。




「あー、うん…会えたよ」




あたしから視線をそらすと、美咲ちゃんは綺麗に微笑んでから俯いてしまう。




「…美咲ちゃん?」




「ごめん…ごめん、なづ…」



「美咲ちゃん?どうしたの?」




急にあたしに謝り出す美咲ちゃん。
あたしに何もしてないのに……。




「…私が莉子を止められたら良かったんだけど…無理だった」




「…え?どういう、こと?」




美咲ちゃんが、莉子ちゃんを止める?




「なづは知らないよね…どうして、莉子が葵くんと付き合ってるか」




「うん、知らない…」




すると、美咲ちゃんは泣きながら顔をバッと上げる。




「なづの為だったの…‼︎
なづが葵くんの事を好きだって自覚しないから、させる為の作戦で…っ」




思わぬカミングアウト。



あたしはびっくりしすぎて言葉が何も出て来なかった。




「今まで言えなくてずっと苦しかった…ごめんなさい…っ‼︎」




泣きながら謝る美咲ちゃんは、ずっと…ずっと思いつめていたんだ…。



「あたしの…せい?」



「…え」



「あたしが、自覚しなかったから…?」



それだけあたしは言うと、その場所から立ち去ろうとする。



頭がゴチャゴチャしすぎてもう、何が何だか分からないから……。




「違うよ、なづのせいじゃない‼︎」



「………」



「だから、責めなくていいから。
私が莉子を説得するから…ね?」




「全部美咲ちゃんのせいには出来ないよ…あたしも、頑張る」




「…ありがとう」




その場で2人して泣いてしまった。