「 好 き 」

「どうしよう光里ぃ〜!」



実行委員が終わった後、あたしは急いで図書室へと向かう。


図書室のドアを勢い良く開けて、何時もの特等席に向かうと…。



そこには須崎くんと、何やら深刻そうに話している光里がいた。



「どうしたら良いんだろうなぁ」



「まぁ、あとは自分らでなんとかするしかないっしょ」



「そうだけどさぁ」



「なになになに?なんの話してるの?」



よくわかんないけど、ここは二人の間に入るしかないでしょ。



そう思ったのがあたしの間違い。

二人はすごくびっくりした顔をして、あたしのことを見てくる。



「ど、どうしたの?」



「あ、いやえっと…」



光里はチラチラと須崎くんの顔を見ながらも話そうとはしない。



「えっ、なになに?」



「なっ…「なんでもねぇよ」…」



そこで須崎くんの静止の声がかかる。
光里も申し訳なさそうな顔をしてあたしのことを見ている。




「教えてくれないの…?」



「まぁな」



「そっ…か、分かった」



いや、少し傷ついたなぁー。
そんな冷たく言われるなんて…。



あたしは心配かけまいと、引きつってるかもしれない笑顔を光里に向けると、光里が全てお見通しだという顔をした。



「ご、ごめんなづ…隠してるつもりはないんだけど…」



「うん」



「おい言うのかよ…」



「だ、だって知らないのも可哀想じゃん……」




だから、なんの話してるのさ二人は。



「えーっと…?」



「あ、ごめん…。なづもそのうち分かることだからゆっくり説明していくね、今度」




「うん、分かった」




知りたいのは山々だけど、人間だもん、隠したくなることはそりゃあるよね!



うん、大丈夫大丈夫。



なのに傷ついてるあたしがいる。



それに、久々に話した須崎くんはどことなく冷たい気がするんだ…。