葵Side.
どうして上手くいかないんだ。
「葵くん…」
「あ…菅浪さん」
屋上でひとりで弁当食べようと思ってたら、彼女のフリをしてる菅浪さんが俺の元にやってくる。
「葵くん、良い加減わたしの事、菅浪さんじゃなくて、莉子って呼んでよ」
「…ごめん。
菅浪さんにしてもらえると有難いな」
俺は、好きなヤツ以外のことを
名前で呼んだりなんかしねーんだよ
「葵くんって、なづが好きなの?」
「まぁ…」
「やっぱりかぁ〜
じゃあ、私邪魔だよね。
……なづにとっても」
最後の方はボソボソ言っていて、
何を話しているか分かんなかったけど
きっと後悔してるんだろうな……。
「あのさ葵くん」
「うん?」
「私と別れたい?」
「……え」
俺はびっくりして、菅浪さんの方に目をやる。
別れたいのは山々だ。
なんで好きでもないヤツと付き合わなくちゃいけねーんだよ…。
でも、菅浪さんは良い人なんだよな…
それは知ってる。
小鳥遊さんの友達だから、
良い人なんだってことくらいは俺にだってわかってる。
「その顔は別れたいってことだね。
別れてもいいんだけどさ、わたしのワガママを聞いてくれたら別れてもいいよ」
「…ワガママって?」
「私にとって、いちばんの思い出を作ってくれたら別れる」
少しだけ寂しそうな笑顔を作って微笑む菅浪さんの顔を見ていられなくて、
俺は下に視線を落とす。
「いちばんの思い出、ねぇ…」
考えるけど全く出てこない。
…別れられるならそれでいいじゃねーか
それで、今度は俺が小鳥遊さんを
本気で愛す。
「分かった、その話のる」
「お!のってくれるの?ありがと」
ニッと心からの笑顔で言う菅浪さん笑顔を、たぶん俺は最初で最後に見るんだろうな。
葵Side.end
どうして上手くいかないんだ。
「葵くん…」
「あ…菅浪さん」
屋上でひとりで弁当食べようと思ってたら、彼女のフリをしてる菅浪さんが俺の元にやってくる。
「葵くん、良い加減わたしの事、菅浪さんじゃなくて、莉子って呼んでよ」
「…ごめん。
菅浪さんにしてもらえると有難いな」
俺は、好きなヤツ以外のことを
名前で呼んだりなんかしねーんだよ
「葵くんって、なづが好きなの?」
「まぁ…」
「やっぱりかぁ〜
じゃあ、私邪魔だよね。
……なづにとっても」
最後の方はボソボソ言っていて、
何を話しているか分かんなかったけど
きっと後悔してるんだろうな……。
「あのさ葵くん」
「うん?」
「私と別れたい?」
「……え」
俺はびっくりして、菅浪さんの方に目をやる。
別れたいのは山々だ。
なんで好きでもないヤツと付き合わなくちゃいけねーんだよ…。
でも、菅浪さんは良い人なんだよな…
それは知ってる。
小鳥遊さんの友達だから、
良い人なんだってことくらいは俺にだってわかってる。
「その顔は別れたいってことだね。
別れてもいいんだけどさ、わたしのワガママを聞いてくれたら別れてもいいよ」
「…ワガママって?」
「私にとって、いちばんの思い出を作ってくれたら別れる」
少しだけ寂しそうな笑顔を作って微笑む菅浪さんの顔を見ていられなくて、
俺は下に視線を落とす。
「いちばんの思い出、ねぇ…」
考えるけど全く出てこない。
…別れられるならそれでいいじゃねーか
それで、今度は俺が小鳥遊さんを
本気で愛す。
「分かった、その話のる」
「お!のってくれるの?ありがと」
ニッと心からの笑顔で言う菅浪さん笑顔を、たぶん俺は最初で最後に見るんだろうな。
葵Side.end

