「 好 き 」

「小鳥遊さんと話すのいつ振りだろ…
図書室のときとすれ違ったときだよね」



無邪気な笑顔であたしに話しかけてくる葵くん。



廊下の窓から夕日が差し込む。




葵くんの色素の少し薄い髪の毛が、
夕日に照らされてキラキラと光っている。



その光景は神秘的で、
ずっと見ていたくなるような光景で…



葵くんと夕日がすごくマッチしている。




「…小鳥遊さん?」



「あ…ごめんなさい」



見惚れすぎてて、
あたしは葵くんの話を聞くことが全然できていなかった。




「具合悪い?」



そう言って葵くんはあたしに近寄る。





細いようできちんと筋肉は着いているような腕があたしに伸びて来て…。



ピタッ…っとあたしのおでこに当てる。




「そ、園田くん…っ」




ドキドキしすぎてあたしの心臓は忙しいほどうるさく鼓動が飛び跳ねる。




どうか、バレませんように…っ‼︎




そう思いながら、あたしは目をギュッと瞑ると、葵くんの体温がスーッと離れて行くのを感じた。




「熱はないみたいだね…よかった」



そう言いながら微笑む葵くんの笑顔を
あたしは絶対に忘れないと心に決めた。