「 好 き 」

腕を掴んでいた。



「莉子ちゃんは葵くんが好きなの⁈
いつから好きなの⁈」



「…昨日だよ?」




「昨日…っ
本気で好きなの…?」




「うん、好きだよ?」




「……っ
ごめん、もうあたし帰るね。
腕掴んだりしてごめんね」




あたしはショックでそこから立ち去ることしか出来なかった。




******************


校舎の中にカバンを取りに戻っていると、途中で葵くんとすれ違った。




「あ、小鳥遊さん‼︎」



「……なに?」




「……やっぱなんでもない
ごめんな」




そう言うと葵くんは、
その場所から離れて行ってしまった。




「……っ‼︎
あた、しが…気づくのが遅かったから…?もっと早く気づいてたら…葵くんの隣に立ってたのはあたしだったのかなぁ……?」




その場で泣きながらあたしは後悔を口から吐き出していた。