「 好 き 」

あたしの席は当たりだ。
だって窓際の一番後ろの席。



ここから入ってくる風が気持ち良くて、
それに違うクラスの体育とかが見れるから授業の暇つぶしにはちょうどいい。




今は放課後。
あたしは、光里を待つために図書室に向かう準備をしていた。




「莉子ちゃん、美咲ちゃん、先帰るね
またあし…「あたしも行く」…え?」




莉子ちゃんが手を上げながら、あたしに近寄って来る。




「あたしも一緒に光里を待ってる。
いいでしょ?」




「え?あ、うん。
もちろんいいよ」




「って事なんだけど、美咲はどうする?」




「あー、あたしは今日バイトだから、
先帰るよ」



「そ?じゃあまた明日〜」




「あ、美咲ちゃんバイバイ‼︎」



2人でそう言いながら美咲ちゃんを教室から送り出すと、莉子ちゃんはニコッと笑って


「行こっか、図書室」



そう言った。