まっすぐ前をむき
あなたの一つ一つの
言葉を理解しようとした。

だからわたしも
向き合うんだ。

「幸せなのは本当。だけどいつからこんなお互いに遠慮して本心から逃げ続けるんだって思う。」


ひろちゃんはわたしの
手を優しく握った。

息を吸うひろちゃんの
次の一言がわかる。
だからわたしから。
大切だから悪者に
なるのは初めも終わりも
わたしにしよう。



「終わろう。ひろちゃん。」





言ってすぐ
後悔に変わる。

震え出す手。
でも握られているから
バレたくなくて
その手を離したのも
わたしからだった。

『あみ。ありがとう。俺、ずるいね。それはきっと俺は言えない。わかっているのにお前を手放したくないんだ。この前のカラオケの曲は俺からの本心。お前を守れなくて幸せに出来なくてごめん。幸せだったのは、幸せにしてもらったのは俺の方だった。』

「ひろちゃん。わたしを拾ってくれてありがとう。わたしひろちゃんが大好き。」