俺の目の前で
彼女がふらついているのを見て
勝手に体が動いた
「大丈夫じゃなさそう」
別にこんなことをする気をいう気もなかったのに自然としていた。
「大丈夫だよ」
明らかにしんどそうに彼女は言う
「保健室行こう」
そういうと彼女は一瞬顔を翳らせ
それでもすぐに笑顔になり
「ほんとに大丈夫なの」
と言った。
「往生際が悪い」
と言い彼女の腕をつかみそのまま引っ張る
彼女は抵抗するが
小さくて細くて小動物のような彼女が
俺に勝てるわけがなかった。
引っ張りながら(ほぼ引きずりながら)
保健室まで彼女を連れていく。
「お願いだから、ほんとに大丈夫だから
教室に戻らせてお願い」
懇願するように彼女が言ってくる。
俺は足を止め
「なんでそんなに嫌がるの」
と尋ねた。
彼女は泣きそうな困惑したような顔をしている。
俺はそんな彼女の顔を見て余計に
なぜそんなに嫌がるのか気になった。
「……から」
彼女は下を向きながらぼそりとつぶやいた
「え?なんて?」
はっとしたような顔を俺に向ける。
「多分、ただの風邪だから大丈夫
今日はホームルームだけだし終わったらすぐ帰れるから、ほんとに大丈夫だから
教室戻ろう」
「ほんとに大丈夫なの?」
「うん!心配かけてごめんね!」
さっきの顔が嘘のような笑顔を向けてくる
「じゃあ、教室行こっか」
「ありがとうね」