翌日。
教室に入った瞬間彼と目が合った。
「おはよう!」
と挨拶しておいた。
「おはよう。」
彼は別になんともなさそうに 返してきた。
うーん。やっぱり彼はなんか違うなぁ
と思いながら席についた。
いつも通りの日々が過ぎわりかし友人関係
については得意なほうなので友達も出来た。
そして放課後、日直だったので
日誌を書いていると
「おい」
と声をかけられた。
そこに立っていたのは彼だった。
「どうしたの?」
と訊ねた。
「余命が一年だったらさ、
お前なんかしたいこととかないの?」
「え?いっぱいあるよ」
「俺それ叶えるの手伝う」
「はえ?」
「クラスメイトがガンって知って
ほっとくのもなんかアレだし
これもなんかの縁だろ。」
「えー、ほんとにいいの?
私結構わがままだよ」
「ホントにまがままな奴は
自分のことわがままなんて言わないよ」
「…」
じっと彼を見つめる。
「ん?」
「君がそんな事言ってくれるなんて
思ってもみなかった。
へぇ、ガンなんだってその程度で終わると思ってた。」
「俺はそんなに冷たい人間に見えるか
ちょ、泣くなよ」
「だって、なんか!なんか!嬉しくて」
バツが悪そうに彼は頭をかき
その手を私の背中に回し優しく抱きしめた
「泣くな泣くな」
「うっ、」
頭をなでられ余計に涙が止まらなくなる。
私が泣きやむまで彼はそばにいてくれた。