マニュアル!?!?
なにそれ。
「美奈が作った執事マニュアル。客に誘われたらああ言えって書いてあんだよ」
颯斗が名前呼び捨てにしたことにもヤキモチやく。
私ってこんなにヤキモチやきだったんだ。
「ゆの」
ふいに名前を呼ばれて顔を向けると重ねられる唇。
「ん…っ」
ちゅっと軽い口付けがだんだんと深くなる。
「は…っん…」
息が苦しくなってきた頃にやっとはなされる唇。
「こういう格好だとちょっと萌えね?」
艶のある唇の端をあげる颯斗はすごく色っぽくて。
私はただただそれを見つめるしかできなくて。
「ゆのにメイドの格好なんかさせたら他の男全員目隠ししてやる」
だから私が裏方やるって言ったとき、あんなに推したんだ。
颯斗にはやっぱりかなわないや。

