店も大分落ち着いてきて、一息ついた時。
「颯斗くぅーんこのあと一緒に回ろうよぉ」
なぬっ!?
颯斗は私と回るのよ!!!!
…あれ?私颯斗と回る約束してたっけ?
してないや…。
私が悶々としてる間にも繰り広げられる甘いトーク。
「お嬢様のような美しい方にお誘い頂き光栄です」
「きゃー!///それっておっけいってことよね!」
何よ。颯斗だるいとか言ってたくせに。
ノリノリじゃんか。
お嬢様とか美しいとか言っちゃって。
微笑んだりするから女の子が勘違いしちゃうんだよ。
「えー!じゃあ私も!」
「私も!」
次々と立候補する女の子たちに私の中で何かが切れた。
ばんっ!!!
「お客様!颯斗は私のなんです!」
しーーーーーーん。
何この子、みたいな視線が一斉に私に集まる。
「ゆの?」
颯斗の声ではっと我にかえる。
「あ…わ、わたし…ごめんなさいっ」
自分がしたことを振り返って一気に恥ずかしくなり教室を飛び出した。
「ゆの!」
颯斗が呼び止めるけど私は無視して走った。