そんな話をしているともう校門。私が通っているのは、聖南高等学校。
歴史が古く、古風な校舎が私のお気に入り。


「二人とも、おはよう」


靴を履き替えていると、後ろから知っている声が聞こえた。


「ああ、おはよう。明」


菜緒が応える。


岡本明(akira okamoto)。私と菜緒の幼なじみで、小中と同じ学校。
私の家と明の家は距離にして徒歩10秒。小さいときから顔はよくて、女の子によくモテる。


ちなみに、私は優しくされた記憶がない。よく、いじめられたなあ…
だから私はこいつが苦手。


「おー。こよみ?」


あまり明とは一緒にいたくないんだけど…


目をそらしながら一言、おはようと言う。


「挨拶くらいしろよな…」


私が何故ここまで明と関わるのを拒むのか…


ズバリ!女の子の視線が痛いからだ。


「…あの子って、幼なじみの…」

「…ちょっと可愛いからって明くんに近づくなよ」


そうそう、今言われているこんなの。怖い…


そんな私をみかねて菜緒が助け船を出してくれる。