ある日突然言い渡された余命宣告


「こよみさんの命は…あとわずかです」


私はこのとき、どんな反応をすれば良かったのかな…


「嘘…でしょう?」


お母さん、恵(megumi) が驚きを隠せないようにうろたえた。


「今のところ、一年もありません…。若い分、進行が速いようで…」


大変なことを言われているのに、何故か私はあまり動じていなかった。


「治すことは、出来ないということですね?」


私がそういうと医師は、静かに首を縦にふる。

ですから、と医師は言う。


「入院し、抗がん剤治療をして少しでも長く生きるか、入院をせずに余生を自由に生きるか…そのどちらかです」


どちらにしますか?と医師は私に尋ねる。


どうしてこんなことになってしまったのかな…


「家族で…話し合い、ます」




そう、始まりは…あのときからだった。