「おはよう。」
朝、家を出ると彼が待っている。
寒いのに、毎日欠かさずに迎えに来てくれる彼には感謝してる。
「あゆ、見て!雪だるま作った。上手くない?」
「.....上手い!って手冷たくないの?素手で雪なんか触って....」
「冷たい....凍えそう....」
「....あほ!」
そう言って、私は彼の手を握る。
「あゆの手、あったかい。」
”あゆ”っていうのは、私の名前。
篠原あゆ。高校2年生。
そして彼は、足立龍。
龍は高校一年生、つまり年下。
年下だし、あほだし、馬鹿だし、チャラいし、頼りないけどそれでも龍のことが好き。
彼に恋心を抱いたのは、中学3年のとき。
今日みたいに、雪が降りつもる寒い日だった______