「私、もう終わりましたー。で、あんたは何を騒いでたの?」
あたしの目の前で終わったプリントをひらひらさせていた朝菜がそう聞いてきた。
まぁ課題のことはおいといて。
そう、それなんだよ!
「ちょっと、これ見てよ」
あたしは例の手紙を朝菜の前の机にバンッとたたきつけた。
「んー? なになにー。………………ブッあははははははっ」
「…………笑わないでよ」
読み終えたであろう、朝菜は机をバンバン叩いてヒーヒー笑っている。
「いや、ごめんごめん。でもだってミナミ、これすっごいバカにされてるよ。さっすが康也!」
この手紙を送りつけてきた桐生康也はあたしと朝菜と同じ小学校出身。
「いきなり手紙よこしてきたと思ったら内容がこれだよ?! 理解に苦しむよ本当」
「あんたたち仲よかったもんねー。ミナミの扱いはホントうまいね、あいつ」
中学は同じクラスにはならなかったらものの、会えばからかい合ったりそれなりにつるんできた。
…………仲が良いかは別として。


