私が中に入るとベッドに座っていたユズナがこっちを向いた。 「おはよう」 え…。 私は思わず持っていたカバンを落としてしまった。 'おはよう' そう言った声は…長い間、聞くことが出来なかったユズナの声だったのだ。 「今…ユズ…」 「うん、私がここに来たのは、私が見つけたっていうか…調合したっていうか…なんていうか…その薬を試したかったからなんだ。」 静愛さんはそう言って自分のポケットから小さな注射器を出して私に見せてくれた。