「今日も、嫌なことがあったんだろ。だからこんなところにいたんだろ?」


ーーえ…どうして、わかるの…。



「何があったのかとは、無理には聞かない。でもさ、出すと楽になるよ」


天野くんはそう言って自分の唇を人差し指で指した。

その唇は赤く綺麗で。そう、私も、初めて触れたいと思った。



「本当にありがとう、天野くん。不思議…。天野くんがいると、楽になるんです。」


「うん、ユサリさんがいると、俺も楽だよ」




やっぱり、ドキドキする。

でも、楽で、気持ちが良くて、愛しくて。ああ、これが恋なんだ。