「はい、これ、ユサリさんのカバン。」


「あ、ありがとう…」




天野くんは私の質問を答えずに私のカバンを手渡ししてくれた。



「ユサリさんのカバン。ちゃんと、メグさんっていう人が預かっててくれたんだよ。中々帰ってこないから探してたところを俺が見つけてさ。

"試合終わったら様子見に行く予定だし俺が預かっておくよ"って言って預かってた」


メグが…?

あ、そういえば…勝手に出て行って、戻らないなんて…私最低…。



「それにさ、保健室行ったら、ユサリさんいないし!聞いたら、慌てて飛び出て行ったっていうから、探したよ!さすがに、携帯や家の鍵をすべてメグさんに置いて帰っちゃうわけないから、探してた」



あ、

私はそう思ってカバンの中を覗く。

そこには、家の鍵、携帯、財布などと大切なものがぎっしり詰まっていた。