『このままでは、危険ですよ。』

ーー危険?ユズナが…?


『はい、ユズナさんは今、自分の感情に殺されているんです。このままでは…ユズナさん自身が感情に殺されてしまいます。その前に、私たちは感情を殺さないといけないんですよ』



ーーーーーそれって、それって…。



『感情が人間をコントロールしているんです。感情が自分自身を殺してしまう。自分自身を壊してしまう。これから、彼女に感情を失う薬を投与しましょう』







そうだよ。

そうだよ。

恋は…ユズナを苦しめた…。ユズナの全てを奪ったんだ。



私はぎゅっと目を瞑った。

昔の出来事を思い出していた。楽しかったあの頃。ユズナもまだ元気だったあの頃。


そして同時に…天野くん、助けて…とそういう気持ちもあった。





私はそのまま眠りに落ちた。