「あのね…よく聞いて。他の科学者たちは、生まれてすぐにセックスホルモンをすべて全滅させる薬を作ってる。でも、他の科学者や医者…例えば、私もその一人だわ。
私の正体は、アメリカ中央ハーバルド大病院の医者の一人。
私の目的は、恋を…病気じゃないと証明すること。
そして、多くの人に恋を体験して欲しい。
だから、普段は…高校にいるの。この年頃は…みんながADを受ける頃でもあり、みんなが恋に落ちる頃でもあるから。
そして、胸が痛いと、ドキドキすると…そう訴えてくる人達に…恋のことを教えるの。
そして、このことを伝えて…」
ーーーーガチャン…。
大きな音が保健室には響いて先生もハッとする。
私の震える腕がいつの間にか、ベッドの横にある机の上にあったガラスのコップを落として割ってしまったようだ。
私は慌ててベッドから飛び跳ねた。
そして靴を履くとそのまま保健室を飛び出した。
途中で私を呼ぶ声がしたが、振り返れなかった。
いや、振り返らなかっただけだった。
