「キョウタくんも、この前の捻挫ついでに見てあげようか?」

「いや、いいっすよ。俺も早く戻らないといけませんし。試合、抜けてきただけだから。
じゃあ、ユサリさん。試合終わったらまた様子見に来るよ。じゃ」



天野くんはそう言って私ににっこりと微笑んだ。

その素敵な笑顔で私の顔はぽぉっと赤くなる。



「い…あ、りがとうございました」


私は彼から顔を逸らすと、バタンというドアの閉まる音がした。