「あ、ユサリさん?」
急に後ろから声がかけられ、私は振り返った。
そこに立っていた人物に私の胸はまた傷んだ。
「なんで…?試合じゃ…」
「あ、今、俺交代してるんだ。すぐに戻るけどね」
タオルを首に巻いている天野くんだった。
さっきまでフィールドにいたのに…そんなに私…ぼうっとしてたかな?
「そこでユサリさんらしき人が見えたから追いかけてきたんだ。」
天野くんはそう言ってにっこりと微笑んだ。
その瞬間、また胸に痛みが走る。私は思わず胸元を抑えた。
「あ、大丈夫?どうかしたの?」
天野くんは慌てて私の肩を支える。
その手が、触れられた肩がとても熱い。
なに…どうし…て、こんな気持ちになるんだろう。
