「はは、ユズナ、ごめんね。取り乱しちゃって。」 私がそう言うとユズナは首をゆっくりと降った。 私は優しくユズナを抱きしめた。 「ユズナは…ここから出られたら、何をしたい?」 ユズナは何も言わない。 ああ、質問が悪かったか。 ユズナは、「したい」「ほしい」「悲しい」「楽しい」の感情も、すべて無くしたんだった。 「あ…ハハっ…人形とお話しても意味ないよね」 なんだか、馬鹿馬鹿しくなってしまった。 こんな事を言うのも"酷いな"とは思うけど、何を言ってもユズナは何も感じない。