ーーートントン…
「ユサリ?入るわよ?」
そう言ってドアが開かれる。
そこにいたのはおかゆを持ったお母さんだった。
「お母さんもお父さんもこれから仕事だけど…ユサリ、病院で預かってもらいましょうか?」
「はあーー?!いいってば別に…」
預かる?ってわたしは子供じゃないっての。
自分のご飯くらい作れるわ。
「でも、ユサリ貧血だし、突然倒れて気を失ったりしたら…階段から落ちるかもしれないし...。」
お母さんは心配そうな顔でわたしを見つめる。
心配性も全く変わらないんだな。
「分かった。でもユズナと同じ部屋にしてもらうから」と私は言った。
貧血になるのは初めてだし、今回は甘えてもいいだろうだと思った。
