「風邪だってさ。熱も結構高いし」
「お医者様は貧血とも言っていたわ。最近のストレスがたまっていたんでしょうね。勉強ばかりだったし」
「ああ、そうかもしれない」
部屋の外で聞こえるのはお母さんとお父さんの話し声。
テストの次の日、わたしはすぐに風邪になった。
おまけに、貧血だと?!
昨日の、あの出来事で貧血って間違われただけで本当に貧血になってしまった。
でもまあ、確かに最近は辛かった。
朝は学校。放課後はユズナのお見舞い。そして夜まで勉強。
貧血にならないわけがなかった。
それでも、テストが終わるまで熱が出なかったのは幸いだったのかもしれない。
