「あなたは……」
天野くんだった。
な、なんでここにいんの？？？
突然現れてきた人物に私は思わずパニクってしまう。
顔が真っ赤になっていくのも感じる。
「天野キョウタ。向こうからフラついてたの見えたんだ」
彼はそう言ってにっこりと微笑んだ。
その笑顔にまた胸が苦しくなる。
どうすればいいか分からなかったけど、とりあえず私も自己紹介をした。
「夕凪ユサリ…」
私がそう言うと天野くんはにっこりと微笑んで「じゅあ、ユサリさん」と私を名前で呼んでくれた。
たったそれだけなのに、胸が苦しくて、それでもなんだか嬉しくて…
