マンションから出ると私はカバンから参考書を出して歩きながらそれを読み始めた。


私が受けるのは微生物学、医学微生物学など。
私たちの身体に関すること。


その中に"恋"についての問題も出てくる。



「恋…といえば、」


私はハッとして、昨日の出来事を思い出す。

薬に効果が出るのは一時間後。その間は、まだ少しだけ感情が残る。


だから、メグは…

『今、お医者様を呼んだらユズナさんのようになっちゃうんだよ!?シンが…!そんなの…嫌だ!
18になるまで、病気を少しでも治して!そしてちゃんとADを受けて!』


それでも、私はメグのした事には賛成しない。

だって、恋にかかってしまったら、最後は…。



その時頭の中でユズナの姿がフラッシュして私は頭を振った。