「ユサリ!準備できた?」
一階からお母さんの声がして私は慌てて「あと3分」と返事をした。
目の前の鏡に映る私は髪の毛をいつものようにブラシで溶いてナチュラルなメイクをした。
今日は、私の人生が決まる大きな日。
絶対に1校でも合格しないと、私は負け組になる。
「ふう」と息を吐くと、私はカバンを持って一階に降りていった。
「行ってきます!」
大きな声でそう言うと「頑張って来なさいね!」とお母さんが微笑んでくれた。
お父さんも後ろでガッツポーズをしている。
「ユサリ、しっかりな!目指すは東京都西川医だ!」
「だーから、私その大学は受けないってば、そこは専門が違うの!ふふ」
「え?え?」
「じゃ、行ってきまーす!」
私はクスクス笑いながら家をあとにした。