「メグ…どうして!!ADは受けないって約束したじゃないか!」
シンの絶叫が響き渡る。
「メグ…そんな約束までしたの?」
初めて聞く約束に私は耳を疑った。
ADを受けなければ、一生、牢屋といってもいい場所に閉じ込められる。
科学者達の元で恋という病のせいで人形になって生きるんだ。
「したけど…別にしてもしなくても同じだと思うわよ。だって私の体は何も変わってない。感情が消えるとか言ってたけど、感情ってものも、もうなんなのかよくわからないし…」
メグはそう言ってシンを見つめた。
「メグ…俺、気づいたんだ。本当に大事なのはお前で…俺は…俺は」
彼はその場に崩れた。
頬を涙がどんどん伝っていく。
その姿を見て私は…『ああ、完全にかかってしてしまった』と思った。
この人をみると、胸が苦しくなる。これから、辛い人生が始まる。
もっとも、彼は人形になるのだから、辛いとも感じないだろうけど…
