高校3年の秋。白鳳学園との試合を前に、桜木は泣いた。 希美の相談が、彼女を追い詰めたみたいだ。 希美への返答はきっと本心なのだろう。 けれどその返答が意味するのは、青葉の隣に、自分ではなく希美がいる未来だ。 何があろうとも離れないくらい、桜木は青葉のことが好きだった。 何よりも誰よりも、青葉のことを優先し続けてきた。 それほど大切な人にとって必要なのは自分ではない人。 心が痛んでも仕方ない。