ホワイトデーの奇跡【完】





『っ……っ……ふっ……』



龍平さん。

龍平さんっ……。




「さくら……何で、泣いてんの?」


『……嬉し…くてっ…』


「嬉しくて?さくら、それどういう意味?なぁ、さくらっ」



私に近寄って、私の目線まで体を縮める龍平さん。

俯いて、逃げることを許さないように。

視線が、しっかりと合う。




『……私…も…好き』



過去のことなんかじゃない。

好きだった――なんて、嘘。



過去に出来るはずなんてなかった。


これだけは、前に進むことなんて出来なかった。




ずっとずっと、龍平さんが好き。