ホワイトデーの奇跡【完】




「ねえ、さくら」


『…ん?』


「武藤のこと、どう思う」



武藤くん?

空から目線を下げてたまちゃんを見ると

彼女は未だに目を閉じたままだった。



「あたしの知る限り、今おじさん以外の男でさくらがまともに喋れる相手って武藤くらいしかいないじゃん」


『うん…そういえば、そうだね』



幸運なことに担任の先生も女性だし。

クラスの男の子とも、挨拶くらいしか交わさない。

バイトも部活もしてない私は毎日自宅と高校の往復だから、男性以前に人と関わることもない。



「だから…どう思ってんのかなって単純に」


『…そうだね』


「ん」


『武藤くんは、不思議な人だよね』