ホワイトデーの奇跡【完】




桜橋に着くと、先客が2組いた。

1組は川で遊ぶ小学生らしき男の子4人。

もう1組は、川原をお散歩するおばあさんとおじいさん。



「さくら、ここにしよ」


『うんっ』



たまちゃんが指定した場所は大きな桜の木の下。

2階建てのアパートくらいの大きさはありそうなドーム型の桜の木。

桜の花びらはもうすっかり落ちていて、ちょっと寂しそう。


私は100円ショップで買った2枚のレジャーシートを敷いて

たまちゃんとその上に足を伸ばして座った。



『んー…気持ちいいね』


「やば…このまま寝そうだわ」


『ふふっ、寝ていいよ』



私は伸ばしていた足を戻して、正座を軽く崩して座り直した。



『はい、どうぞ』



太ももをぽんぽんと叩いて、たまちゃんを見上げた。



「……子供じゃないんだから」


『いいよー、子供になっても。いっつも頑張ってるんだもん…まだ、そんなに大人にならなくていいよ』


私の前では、弱い所も見せてほしいよ。