ホワイトデーの奇跡【完】





ズキッ――

鈍かった痛みが…古傷全体に広がった気がした。

咲ちゃんの言葉に…昔の自分の姿が重なって見えた。



これは…咲ちゃんじゃない。




「だって…娘を捨てて違う男の人を選んだ母親の子供なんて…気持ち悪いって…」



これは…。




「…私、自分が大嫌いでした」




私だ。







「…だから、そんな私が…彼を思うなんて、迷惑だって思いました」


『……』


そんなことないって…私には、言ってあげられなかった。

“迷惑じゃない、気持ち悪くなんてない”

それを言ってしまったら…。