ホワイトデーの奇跡【完】





「……」


「おーい、聞いてんの?龍ーチャーン?」


『…っ…』




なんで…龍平さんが…いるの。


トクントクン――あぁ…心臓が、またうるさくなる。


もう、なんで…落ち着いて…お願いだから。


2人に気づかれないように。

ゆっくり、ゆっくりと、深呼吸をした。




「つーか来るの早くね?どんだけバイク飛ばしたんだよ」


『…っえ?』



来るの…って、どういうこと?



「さくらチャン見つけたとき、すぐメールしたんだよ、オレが。…あれ以来一人で外出してないって聞いてたからさ、心配で…へへっ」



『…将太くん』



そうだったんだ…。

あんなに普通に見えたのに…

やっぱり…将太くんも大人なんだ。


あまりにも自然すぎて

その気遣いに、全然気付けなかった。